農業(農作物)について
自然農法とは
自然農法とは不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)、を特徴とする農法です。自然本来のありのままの育て方を意味します。
肥料や農薬を使用する従来農法(有機農法も含む)と異なり、基本的に播種と収穫以外の作業を行わず、自然に任せた栽培を行います。しかし、油粕や米ぬかだけは撒く人や、耕起だけは行う人、草を取らずとも刈ってしまう人なども自然農法の実践者として名乗る事があるためその栽培法は多様と言えます。日本には粘土団子という農法を生み出した福岡正信や「健康」の生命原理と「無肥料栽培」の根本原理を説いた岡田茂吉などの実践者がいます。
有機栽培とは
有機農作物とは自然農法とは異なり、有機農法(基本的に化学合成農薬と化学肥料を用いない農法)によって生産された農作物を指します。
かつては有機資材を利用して栽培された農産物も有機農産物と呼ばれることがありましたが、1992年に農林水産省によって「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が制定され、「化学的に合成された肥料及び農薬を避けることを基本として、播種または植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年前)の間、堆肥等による土づくりを行ったほ場において生産された農産物」と定義されています。
2000年、日本農林規格 (JAS) が改正され、農産物について有機農産物またはそれに類似した表示をするためには、農林水産省の登録を受けた第三者機関(登録認証機関)の認証による有機JASの格付け審査に合格することが必要となりました。これにより、有機農産物、また有機農産物を加工して作られた食品の名称(有機○○、オーガニック○○)の表示は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」の適用を受け、認証先を記した「有機JASマーク」の表示が必要となり、違反した場合には罰則を受けます。スーパーなので「有機」「オーガニック」と表記のあるものは私たち消費者にとって安心して選べる基準となったのです。
→有機栽培とは・詳細へ
有機農法自体は、言葉としては20世紀初頭にイギリスのハワード卿やアメリカのロデイルにより提唱されたものであり、日本でも40年ほど前に日本有機農業研究会が設立されorganic farmingを有機栽培と初めて訳されました。当研究会では、有機農業の目的として、 安全で質のよい食べ物を生産するこということの他に、環境を守ること、自然との共生、地域自給と循環、地力の維持培養、生物多様性の保護、さらには人権と公正な労働の保障、生産者と消費者の提携というようなことまで挙げており、自然の理に適った永続的な方法というだけでなく、社会的にも適正な方法であるということを目指しています。
自然農法は有機農物(有機農法)にとても良くにていますが、有機質肥料も限定使用あるいは不使用としたり、不耕起であったり、有機農法よりも厳密に人為的な栽培を排除しています。しかし自然農法に厳密な定義はないために、この言葉が使われているのです。
1番の違いは、自然農法は有機農物(有機農法)と比べ肥料はできるだけ与えず土自体に影響をつけるというところに特徴があるのです。
特別栽培と慣行栽培
特別栽培とは慣行レベルと比べて化学合成農薬および化学肥料の窒素成分の双方を5 割以上削減して農産物を生産する方法です。
比較対象となる‘ 慣行レベル ’とは具体的に以下のとおり農薬と肥料について基準が定められています。
①都道府県ごとの慣行栽培(一般的な生産方法)の同作期の同作物において
生産過程における節減対象の農薬の使用回数(土壌消毒剤、除草剤等の使用回数を含む)
②都道府県ごとの慣行栽培(一般的な生産方法)の同作期の同作物において
生産過程における化学肥料の窒素成分量
つまり農薬・肥料を平均的に使った栽培方法を慣行栽培というのに対し、特別栽培は慣行栽培と比べ半分以下の農薬・肥料を使ってつくられているという関係なのです。
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慣行栽培は有機栽培でもなく特別栽培でもないそれ以外の栽培方法と言えます。
まとめると自然農法は国の基準がないため有機栽培(ただししかるべき手続きが必要)、もしくは慣行栽培に分類されます。